過激組織「イスラム国」による邦人人質事件の過程で、同組織内の二つの勢力の主導権争いがあったとする国外の分析情報が、日本政府に伝えられていたことが2日分かった。ヨルダンで収監中のイラク人女死刑囚と人質の交換を目指したイラク系勢力と、人質殺害で対外的に脅威を与えることを主眼とするシリア系勢力がせめぎ合い、情報の錯綜(さくそう)を招いたとの分析だ。
関係者によると、人質とされた後藤健二さん、湯川遥菜さんはシリア系勢力に拘束され、1月20日の2人の殺害予告と、2月1日の後藤さん殺害の映像はいずれもシリア系が発信したとされる。両方の映像に登場する、「ジハーディ?ジョン」と呼ばれる覆面男もシリア系に所属する。
狼一号