妊娠中の母親が肥満状態だと、母体にも子どもにも悪影響が及ぶことは知られている。なぜなら、肥満の妊婦は妊娠性糖尿病や子癇前症などになりやすいからだ。しかし、だからといって妊娠する直前にダイエットをしてしまうと、肥満でいるよりも母子ともに危険のようだ。
南オーストラリア大学のキャロライン・マクミレン女史の研究によれば、太り気味の女性が妊娠直前にダイエットをしても、糖尿病のリスクは変わらないどころかその他の病気などの危険性もアップすることが明らかになったそう。これは、妊娠前に太っていたことによりすでに後成的なダメージがなされているためだとか。羊を使った実験では、肥満状態のメスを受精前後のさまざまなタイミングでダイエットをさせたところ、妊娠直前に母親が急激なダイエットをすることで、生まれてくる子どもの代謝が悪くなるとわかったという。
マクミレン女史は、今回の研究を進めることで、太り気味の女性が妊娠を望む際に適切なダイエット時期を知る助けになるだろうとしている。