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どうやらドンピシャで食い込んでいた様である

今日、市役所に用事があって出かけたのであった。
生憎市役所の駐車場は満車で、
市役所前の道路の一部が駐車場になっているから、
そこに車を停める事にしたのであった。

我輩が車を停めた直ぐ後に、
隣のスペースに太めのおばさんが車を停めた。

我輩は車を降りて、市役所に向かおうとしたのだが、
道路沿いの駐車スペースだから、ガードレールがあって、
市役所に入るにはぐるっと遠回りしなくてはならない。

しかし、ガードレールをまたいで歩道を少し行けば、
市役所に入る通路があるから、
我輩はひょいとガードレールをまたいで市役所の入り口に向かった。

少し歩いた所で後ろから
「あたたたたたた!」
と叫び声がするでは無いか。

我輩は「何だ?」と思って振り返ってみたら、
我輩の隣に車を停めた太めのおばさんが、
我輩の真似をしてガードレールを跨いだのは良いのだけれど、
完全にまたぎきれず、
ガードレールの先端が股間に食い込んだ状態で、
にっちもさっちも行かなくなって、
食い込みの刑を食らっていたのだ。

我輩はぷっと吹出し、一瞬助けに行こうと思ったのだが、
太めのおばさんだし、おばさんとは言え一応女性だし、
女性としてあまりの情けない格好だったので、
自分で何とかなるだろうと思って、
武士の情けで気がつかなかった事にして
我輩はそのまま市役所に向かったのであった。

市役所の用が終わって車に戻ろうとしたら、
丁度通りかかったであろう市役所の職員に
救助され介抱されてたおばさんは
股間を押さえて歩道に座り込んでいた。
どうやらドンピシャで食い込んでいた様である。

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中山雅史
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